楽曲解説
1.いくたびの櫻
私が「櫻」と聞いて真っ先に浮かぶのは、学生時代に友人と過ごしながら見上げた京都、鴨川の櫻なのですが
私がメジャーデビューする直前に、その中の一人の親友が他界してしまいました。
それ以降、上京してからながめる東京の櫻はとても綺麗なのですが、親友と見上げた鴨川の櫻と重ね合わさって
とても感傷的な気持ちになってしまいます。
美しいものはとても儚いものって思ってしまうんです。
でもそう思える事は逆に大事な親友との繋がりを再確認することでもあり、櫻を見上げながら限りある時間を意識する事で
今ある全てをより尊く大切に感じるようにもなりました。
私がそう感じることができたように、人間関係が希薄に感じられる今の時代だからこそ、一年一度の櫻をながめる時には
家族、友人、恋人、隣にいる人、心の中にいる人、大切な人との繋がりを感じながらおだやかな気持ちでながめてほしいんです。
「いくたびの櫻」を聴いてくれた、より多くの人に、人との繋がりという身近な幸せに気付いてもらえたらうれしいです。(ふくい舞)